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コラム

力を合わせる、オランダの流儀

天然資源に乏しい、小さく平坦な国が、世界有数の貿易国となり、食品輸出国となりました。その習慣の中には、ベトナムでも意外なほど親しみを感じられるものがあるかもしれません。

ベトナムとオランダには、一見した以上に多くの共通点があります。どちらも大河のデルタに形づくられた貿易国であり、水と共に暮らし、食料の主要な輸出国でもあります。両国は2010年の戦略的パートナーシップ以来、水管理の分野で協力を続けてきました。共同で策定され2013年に承認されたメコンデルタ計画は、2022年に採択された同デルタの地域マスタープランの礎の一つとなりました。現在、オランダは欧州連合(EU)におけるベトナム最大の貿易相手国であり、EUからの最大の投資国でもあります。

商人であり、農業者でもある

2025年、オランダは1,375億ユーロ相当の農産物を輸出しました。オランダがしばしば米国に次ぐ世界第2位の農産物輸出国と呼ばれるのは、このためです。ただ、この数字には少し説明が必要です。その説明自体が、一つの教訓になるからです。このうち約490億ユーロは再輸出、つまりほかの国から輸入し、そのまま取引された品で、17世紀のオランダ東インド会社(VOC)にまでさかのぼる交易の伝統によるものです。残る約880億ユーロの多くも、オランダで栽培されたものではなく、オランダで製造・加工されたものでした。たとえばカカオ製品は124億ユーロで第2位の輸出品目でしたが、オランダの気候では、カカオの木は1本も育ちません。

オランダの農家や生産者が自ら生み出しているものは、こうした見出しの数字よりはるかに小さいものの、その品質と効率には目を見張るものがあります。酪農、施設野菜、花卉、種いも、植物育種は世界的に知られています。それを支えているのは、農家、ワーヘニンゲン大学をはじめとする大学、政府、企業の緊密な協力であり、より少ない土地、水、エネルギーでより多くを生産しようとする一貫した取り組みです。

コーヒー、米、果物、水産物の一大生産国であるベトナムにとって、オランダの物語は、その両面ともに興味深いものです。優れた農業は価値を生みます。そして加工、貿易、知識は、さらに大きな価値を生むことが少なくありません。

協同組合:小さな生産者も、力を合わせれば強い

オランダの有力な食品企業のいくつかは、農家自身が所有しています。ベトナムでは「ダッチレディ(Cô Gái Hà Lan)」ブランドで知られるフリースランド・カンピーナは、1万4,000近い酪農家が組合員として所有する協同組合です。ラボバンクは19世紀後半、資金の借入れに苦労していた農家が設立した地域の信用協同組合として始まりました。力を合わせることで、小規模な生産者は、単独では決して得られなかった規模、品質管理、交渉力を手にし、しかも所有権と利益を自らの手にとどめることができたのです。競争は企業を鍛えますが、力の源はそれだけではありません。企業が共通の利益と相互の支え合いを軸にまとまるとき、競争だけではめったに生まれない強靭さが築かれます。

ベトナムは、この強さをよく知っています。家族同士が技術や顧客を分かち合う伝統工芸村、互いに助け合う近隣の人々、そして今日では3万を超える協同組合と700万人近い組合員を数える協同組合運動など、協力の長い伝統があります。2024年7月からは、刷新された協同組合法がこれを支えています。急速な成長のただ中で、この隠れた強みは見過ごされることもあります。コーヒー、果物、水産物、米の生産者にとって、よく運営された協同組合や生産者団体は、加工、認証、マーケティングの費用を分かち合い、海外の買い手から高まるトレーサビリティ(生産履歴の追跡)の要請に応える助けとなります。

ポルダーモデル

オランダの国土の多くは海面より低く、堤防に守られています。何世紀にもわたり、隣人同士は、ほかにどんな違いがあろうとも、堤防の維持については合意しなければなりませんでした。さもなければ、皆が水に沈んでしまうからです。多くのオランダ人は、これを「ポルダーモデル」、すなわち粘り強い協議を通じて意思決定を行う習慣の源と考えています。1950年以来、社会経済評議会(SER)は、使用者、労働者、独立した専門家を一堂に集め、政府に助言してきました。1982年のワッセナー合意では、使用者と労働組合が雇用の拡大と引き換えに賃金の抑制で合意し、オランダ経済の転換点となりました。

協議には時間がかかりますし、オランダ人は率直にものを言うことでも知られています。それでも、共に下した決定は、人々が理解し支持しているため、たいていしっかりと実行されます。会社においては、決定を確定する前に、実際にその仕事を担う人たちの声に耳を傾ける、ただそれだけのことかもしれません。これは、和を重んじるアジアの価値観ともよくなじみます。

長い時間軸で商う

オランダの人々は何世紀にもわたって商いを営んできており、驚くほど歴史の長い企業もあります。1662年にアムステルダムで創業した同族企業ファン・エーゲンは、羊毛やリネンなどの取引から始まり、現在は栄養原料を供給しています。欧州最大の港であるロッテルダム港は、2025年に約4億2,800万トンの貨物を取り扱いました。そこに共通するのは忍耐です。知識、インフラ、人間関係に投資し、世界の変化に合わせて取り扱うものを変えていくことです。

共通の強み

ベトナムにとって最も役立つオランダの教訓は、手法ではなく、一つの気づきなのかもしれません。ベトナムの企業、地域社会、公的機関は、競い合うだけでなく協力し合う術も、昔からよく心得ています。業界団体、協同組合、共同施設、そしてサプライヤーとの長期的な関係を通じて、その伝統を意識的に現代のビジネスへと生かしていくこと。それが、これからの年月において、この国の静かな強みの一つとなるかもしれません。

考えてみたい問い

  • 単独ではなく、同業のほかの企業と協力することで、より多くを成し遂げられないか。
  • 自社のサプライヤー、顧客、近隣の企業のうち、競争相手ではなく長期的なパートナーになりうるのはどこか。
  • 決定を下す前に、それを実行する人たちの声に耳を傾けているか。
  • 土地や資金を増やすのではなく、知識によって生産量を高められるのはどこか。
出典
  1. Viet Nam News, 'Việt Nam, Netherlands strengthen climate cooperation', 18 September 2024. https://vietnamnews.vn/politics-laws/1663192/viet-nam-netherlands-strengthen-climate-cooperation.html
  2. Netherlands Embassy in Viet Nam, 'Netherlands commits to support Vietnam' (Mekong Delta Plan and regional master plan). https://www.netherlandsandyou.nl/web/vietnam/w/netherlands-commits-to-support-vietnam
  3. Vietnam.vn, 'Trade and investment relations between Vietnam and the Netherlands in 2025', 2026. https://www.vietnam.vn/en/quan-he-thuong-mai-dau-tu-giua-viet-nam-va-ha-lan-nam-2025
  4. International Cooperative Alliance Asia and Pacific, 'Vietnam snapshot 2025' (Vietnam Cooperative Alliance data for 2024). https://icaap.coop/wp-content/uploads/2025/03/2025-Vietnam-Snapshot.pdf
  5. CBS Statistics Netherlands and Wageningen University & Research, 'Value of agricultural exports up by over 8 percent in 2025', 16 January 2026. https://www.cbs.nl/en-gb/news/2026/03/value-of-agricultural-exports-up-by-over-8-percent-in-2025
  6. US International Trade Administration, 'Netherlands – Agriculture' (Country Commercial Guide), 2026. https://trade.gov/country-commercial-guides/netherlands-agriculture
  7. Royal FrieslandCampina, 'Annual Report 2025', March 2026. https://www.frieslandcampina.com/uploads/2026/03/Annual-Report_2025_Royal-FrieslandCampina-NV.pdf
  8. Rabobank, 'History'. https://www.rabobank.com/about-us/in-short/history
  9. Sociaal-Economische Raad (SER), 'What is the SER?'. https://www.ser.nl/en/ser/about-the-ser/what-is-the-ser
  10. Container News, 'Rotterdam port throughput falls 1.7% in 2025', 27 February 2026. https://container-news.com/rotterdam-port-throughput-falls-1-7-in-2025/
  11. Van Eeghen, 'History'. https://vaneeghen.com/history/

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